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年齢別お口のケア

8020運動の上をゆく“9022C”を目指して!

9022C運動

「8020運動」はだいぶ有名になりましたので、聞いたことのある方も多いと思います。「80歳になっても自分の歯を20本以上残そう」という運動のことで、平成元年、厚労省と日本歯科医師会が提唱し広く呼びかけてきました。

その効果が徐々に出て認知度も高まり、健康な歯を保とうという国民の意識が向上して、実際に現在歯が増える効果が出てきています。

熊谷歯科医院では、そこでさらに上をゆく「9022C」を提唱して目指しています。「90歳になっても22本以上の歯が残せるように、そして歯が清潔な(クリーン:C)な状態が保てるような環境を整えよう、という意味です。

人間の歯は、親知らずを除いて通常28本ですので、生涯を通し喪失歯は6本までにとどめよう、残った歯はいつもきちんと手入れをして気持ちよく使用してほしい、という願いをこめています。

日本人の平均寿命は、女性では85歳を超え、高齢世代の生活の質の向上が大きな課題になっています。高齢の方から、「食べることが何よりの楽しみなのに・・・」というお話をよく伺います。

歯がなくなることで、その大切な楽しみを諦めることにならないよう、末永く歯を保つお手伝いをさせて頂きたいと思っています。

8020達成者の大幅増加

厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査報告」によると、「8020達成者」は38.3%で、平成17年調査の24.1%より大幅に増加しています。
しかしそれでもまだ、80~84歳の現在歯の平均は12本です。

厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査報告」

人間の歯は乳歯から永久歯に一度しか生え変わりません。
永久歯が生えそろうのが12歳ぐらいですから、その後は、残りの70年、代えのきかない永久歯を使い続けなければいけません。
70年というのは、かなり長い期間です。身の回りの道具を思い浮かべてみてください。70年間、毎日使い続ける道具は、そうないはずです。

治療するほど歯を失う?

DMF歯数

<DMF歯数>

DMF歯数とは、虫歯・治療した歯・抜歯した歯の合計本数の事です。

虫歯がゼロだとしても治療した歯があることでDMF歯数の値は上がります。

削った歯は元には戻りません

歯を削って、詰めていくほど(DMF歯数)、歯の本数(残存歯数)が減っていきます。
つまり、このグラフからは、「歯を治療すればするほど、歯を失ってしまう」ということがわかります。

健康のためにと虫歯を治療することで、かえって歯の寿命を縮め、入れ歯に近づいていっているのです。

では、どうしたらいいのでしょうか?
方法はひとつ。
歯がまだそろっているうちに、自分にあった予防方法をきちんと身につけることです。

極力、歯を削らないで済むように

虫歯は治療しても、元の天然の歯に戻るわけではありません。歯は一度削ったら、もとには戻りません。

インプラントや審美性の高い詰め物・被せ物もありますが、それでも到底、健康な白い歯にはかないません。

それだけ、健康な自分の歯は価値あるものなのです。

熊谷歯科医院では、もちろん必要な場合は虫歯を削って治療を行いますが、再石灰化が期待できるような状態や進行しない虫歯に関しては、無理矢理治療を行うことをせず、経過を注意深く観察しながら、フッ素塗布やクリーニングといった予防に力を入れています。

虫歯治療も、するからには細部まできちんと行い、そこからさらに虫歯が広がるようなことがないよう、十分に留意しています。

世代別、9022C達成への道

それぞれの世代で、「歯のために、今行っておくべきこと」をご紹介します。
世代ごとの問題をクリアして頂くことで、歯の状態を格段に良く保つことができると思います。

「9022C」(90歳で22本の歯を残し、清潔な状態)を目指し、ぜひ頑張ってください。

小学生・中学生

小学生・中学生

健康の基礎を作る大切な時期です。
親御さんは特に次の3つを気をつけてあげてください。

フッ素塗布

フッ素の塗布(歯科医院で歯にフッ化物を塗る)は、虫歯予防に有効です。
また、ご家庭で日頃からフッ素で洗口することも効果があります。
お子さんが小さいうちに、ぜひフッ素塗布をされることをお薦めします。

甘い飲み物・間食の習慣

虫歯は、歯磨き習慣だけでなく、ジュースやおやつなど、砂糖摂取の習慣が大きく影響します。毎日炭酸のジュースを飲んだり、おやつをダラダラ食べるような習慣をつけないようにしましょう。

歯並び

歯並びが悪いと虫歯にもなり易くなりますし、噛みあわせが全身の健康に影響したり、見た目からコンプレックスを持つこともあります。
歯並びが気になった時点で、矯正専門の医院に相談し、適切な時期に治療を行うことをお薦めします。

高校・大学生

高校・大学生

親御さんの目が届きにくくなり、また一人暮らしなども始まって生活環境が変わる時期です。

定期検診の意識

勉強や部活、アルバイトなどで忙しく、歯の健康へ意識が行きにくい世代です。小さい頃はきちんと管理をしていたのに、この時期に急に虫歯が増える方もいます。
定期的に歯科医院に行って、検診を受けることを忘れないようにしてください。

生活習慣の見直し

一人暮らしなどで食生活が乱れたり、歯磨きがおろそかになったりしがちです。
特に、缶コーヒーや炭酸飲料などの常飲は、虫歯の大敵ですから是非とも改めましょう。

20代~30代

20代~30代

社会人として忙しい毎日で、歯医者への足が遠のきがちですが、9022Cに向けて大切な時期です。

歯周病の始まり

歯周病は20~30代から始まります。正しいブラッシングを身につけて歯肉を健康に保つことが大切です。歯科医院で歯ブラシ指導などを受けることができますので、利用するとよいでしょう。

定期検診の意識

仕事や育児に忙しく、自分のことが後回しになりがちです。頑張って時間をつくり、定期検診を行いましょう。
50代以降で歯を失う原因は、この頃に作られています。早めの治療で悪化を防ぐことができます。

妊娠・出産に伴う変化

女性は妊娠・出産で心身ともに大きな変化があり、歯にも影響します。ホルモンバランスの変化による歯周病などの悪化、食生活の変化や自分の時間がとれないことによる虫歯の増加、などで、この時期に歯を悪くしてしまう方も少なくありません。

是非この時期に、ご自分の歯の健康管理を忘れないようにしてください。

女性のための歯科外来

40代~50代

40代~50代

今までのつけが現れ、徐々に喪失歯が増え始める時期です。速やかな治療が大切です。

歯周病の進行

20~30代で始まった歯周病が進行し、歯を失う原因となったり、歯周病菌の影響で全身疾患(心臓病や脳梗塞など)が悪化することもわかっています。

歯周病を甘く見ずに、徹底的な治療を行ってください。

喫煙など生活習慣の影響

この時期問題となる「生活習慣」は、全身疾患だけでなく歯にも影響します。

喫煙は虫歯や歯周病にも悪影響がありますので、喫煙習慣のある方は特に「リスクが高い」という意識をもって、定期検診をきちんと受けることが必要です。

歯周病と全身疾患

60代~70代

60代~70代

リタイア生活に向けて、将来困ることのないようにきちんとお口の中を整備することが必要な時期です。

お口の総点検と整備

元気で歯科医院に通えるうちに、お口の中を総点検して必要な処置を行っておきましょう。
抜けてしまった歯をどうするか、などは、将来の手入れのしやすさも考慮して選びましょう。

全身疾患の影響

高齢になるにつれ、今まではなかった問題も出てきます。老化による歯肉の縮退や、唾液の分泌が減ることによる汚れ、身体の病気による投薬の影響、などがあげられます。
この年代になっても、歯磨きは怠らないように気をつけてください。

80代~

80代~

全身的な健康管理が必要な世代です。
その一環として、歯の健康管理にも常日頃から気遣ってください。

お口の中を清潔に

介護が必要な方もいらっしゃると思いますが、周りの方が常に、お口の中が清潔になっているように気を付けて頂きたいと思います。歯磨きやお口をゆすぐ習慣を是非保ってください。

9022Cの達成

ご自分の歯でしっかり噛んで食べられる楽しみが味わえていますか。
充実した老後を過ごすためにも、前の世代の方は是非今から、歯の健康のための取組みを始めてください。

ご自身の歯でできる限り過ごしてください

熊谷歯科医院では歯の治療はもちろん、普段からのご自身のお口のケアで、できるだけ長くご自身の歯で過ごしていただき人生を楽しんでいただければと考えています。

全身疾患との関連や予防の習慣などあらゆる情報を提供し、熊谷医院(内科)とも連携していますので、日常の中でご不安な点等ありましたらご相談下さい。

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